

「天才だ、ぜったいに!」と感動する販促試作がありました。個人店ではなくって、大手メーカーなんですが。「比較される商品」を作ることで、自社商品内の比較購入をうみだして、他社製品を選択肢から失くしちゃう販促策です。ほんとすごいと思います!
おそらく、すでに多くの方が目や耳にしているもの。
「ペヨング」です。
はい、あのカップ焼きそば「ペヤング」の廉価版商品です。ペヤングが170円程だるのに対し、ペヨングは120円程。少しお安く、中身も少し違います。
先日、実際に食べてみました。
そして再確認。やっぱりこれ考えた人は天才っす!
「ペヨング」の登場で何が起きているか!?
「ペヤングVSペヨング」の食べ比べ比較です。両者をじっくりと比べながら食べるという行動が促進されます(そういうWEB記事もいくつもあるし、youtube動画もある)。
で、食べ比べると、それぞれの違いが分かります。
・ペヨングは肉が入ってないとか
・ペヨングの方がグラム数が少ないとか
・ソースが何か違うとか
・でも、ふりかけはペヤングと同じ!とか
そして、比較した方は結局何かしらの「結論」を導きます。たとえば
「やっぱペヤングが好きだ!」とか(←ぼくはこれ)。そして、人にも言いたくなる。クチコミも起こりやすいですね~(これは、誰もが知ってるペヤング・ペヨングだからこそですが)
この「ペヨング」商品は、ペヤングを中心にしてじっくりと味わってもらうための作戦的な商品なんですね~(勝手な想像ですが)。
このような比較が起きると、他社のカップ麺は一度比較対象から外れます。まずは「ペヤング対ペヨング」。そして「ペヤングが好きだ」とか結論付ける。この一連の行動を作り出しているのがすごいなぁと。ほんと天才だと思います。
※もちろん、このペヨング騒動に惑わされずに自分の好きなカップ麺を買う方もいるでしょうが。
あと「ペヨング」ってネーミングや、パッケージも最高です!「ペヨング」ってネーミングは、どこか「抜けている感じ」があるし「ペヤング×ペヨンジュン」の語感がありス~ッと入ってくる。パッケージもなんだか「しょぼい」感じがいいのです!ペヤングと比較して格落ち(?)を見事に表現していると思います。イトーヨーカドーで税込116円だったペヨングで、大感動を頂けました。
自分のお店に、どう応用できるか!?
これも考えたいですね。
ペヨングと同じようなことは難しいでしょう。ペヨングは「ペヤング」という超有名商品があるからこそできた作戦です。誰もが共通話題にできるものだったんです。だから、全く同じ狙いはできません。
でも「看板メニュー」ならば、店内での比較は可能です。特に常連さまやファンの方には比較して頂けるかな。お店の一番人気の看板メニューに対して、
・グレードアップ版
・廉価版
など比較できるものを用意してみる。
他にも、自店にそれほどの看板メニューがなければ、「他店の有名商品」や「一般的にメジャーな商品」と比較できる商品を用意してみてはどうでしょうか?
お客さまが比較してくれたら、「なるほど!確かに違う!」とか「俺は○○の方が好きだ!」とか何かしらの結論を導いてくれるでしょう。その答えが自店の商品であれば、販促は成功です。「俺はこれが好きだ」と記憶に残してくれるでしょう。
比較意欲を盛り上げるために。
もう1つ、ただ比較商品をつくるだけでは、お客さまは「比較意欲」がわかないかもしれません。「ペヨング」のすごさはココにもあります。
「ペヨング」ってネーミングが、なんか比較したくなるんですね~。知っているネーミングが、ほんのちょっとだけ変化していてともするとバッタもんにも見えちゃうようなネーミングです。
このように、既存ネーミングをほんの少しいじるパターンもあれば他にもこんなパターンもできるでしょう。「からあげ」でいくつか表現してみます。
・1.3倍からあげ(数字で比較を表現)
・ギリギリおいしいからあげ(廉価版をイメージ)
・素材以外は手抜きしたからあげ(安い理由を明示) など。
何かしら比較意図が事前に伝われば、お客さまも「なるほど!確かに!」となりやすいです。ぜひチャレンジしてみて下さい~。
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