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こんにちは。しかける販促マンのまきやです。

すっごく興味深い事例を聞いたんです。ぼくの大好きな美容室さんから。

今の時代だからこそ、効いているのかもなーと思いました。お客さまがお店の超ロイヤルユーザーになってたぶん、浮気をしなくなるのコミュニティの事例です。ちょっと長い記事ですが、超価値ある事例ですので、ぜひじっくりと読んでやってください。

 

では早速、事例のご紹介をしましょう。

お店は東京都代々木八幡にある美容室Splashさんです。んもぅすっごくお客さまにあたたかい美容室でぼくも超大好きなお店です。(お店に入った瞬間から優しい気持ちになれる美容室さんです)

 

Splashさんには「零点八軍団」という軍団?ができたそうです。会員数は現在10名弱。あるサービスを利用してるお客さまを総称したコミュニティです。

どんなサービスを利用しているお客さまかと言うと…

●バリカン

です。もちろん普通のバリカンではなくって、0.8㎜のバリカンだそうです。0.8㎜って、かなり短いですよ!1ミリよりも短いんです。

そういえばぼく、小学校の頃はずっと丸刈りだったんですが三分刈りだったと思います。三分刈りは約6mmとのこと。超短いイメージのある「五厘刈り」でも1.5㎜です。0.8㎜は五厘刈りのほぼ半分の身近さ。想像するだけでも超短いです。オーナーの小林さんによると「ほぼ素肌」だそうです。

 

この0.8㎜バリカンでの刈りを、splashさんでは男性の該当者におすすめしてるのだそう。そして、これを一度体験した人は「トリコ」になってしまうのだそうです。

 

オーナーの小林さんはこう言います。

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一度0.8mmを体験すると、みなさん癖になるんです。
なぜ癖になるかというと、とにかく見た目はもちろん、
手触りや風を受ける感触が普通のカットとは別次元だからです。

体験した人は、少しでも伸びてくると
「もう伸びちゃった!」と言います。
(見た目はまったく、ぜんっぜん伸びてないのにw)

で、ご予約をしていただいてご来店した時に、
お客様は「もう伸び伸びですよぉ〜」と
口を揃えて楽しそうにおっしゃいます。

お客様はみなさん
「もう0.8mmはやめられないです」と言いますw

だいたい10日くらいすると伸びてきた感じがします。
二週間も経過すると
「なんだか普通の刈り上げになっちゃったなぁ」となって、
20日くらいで「もう伸び伸び〜」と感じます。
(大して伸びてないし、周りの人から見たら
伸びてるとは思えないくらいですが)

普通の刈り上げスタイルが、
20日くらいで「伸びてきたなぁ」となり、
1ヶ月くらいで「そろそろカットしたい」となることを考えると、
かなり速いペースです。

そこに0.8mmを経験した人だけが感じる「連帯感」が生まれます。
そして「人とは違う」という「価値観」が生まれます。

特に、ゆっかちゃん(スタイリストさん)が
「私のオススメで、特別な長さなんです!」
なぁんて言うものですから、0.8mmバリカンを経験したお客様の方から・・・
『0.8軍団ですね!』と言っていただいて、今回の流れになりました。

私が「今度0.8軍団のメンバーズカードを作りますね!」というと、
皆さんはとっても喜んでました(^^)

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すごくないですか?
このコミュニティ感。離れないぞ感。

お店からすると超うれしい状況だと思います。もちろんお客さまにとっても、すっごくうれしい状況だと思います。相思相愛、最高っすねーー。


で、このコミュニティはどうして生まれたのか!?これを分析しておきましょう。まずぼくがこの事例を聞いて感じたのは

1)ステータス感

です。そして改めてじっくりと考えて

2)新基準を作ったこと

に思い当たりました。そしてさらに、お風呂に入りながら考えていると今の時代だからこその理由にもあたりました。

3)アイデンティティの時代だからこそ

この3つが強固なコミュニティを作っている理由ではないかと思われます。一つずつ解説してみますね。


1)ステータス感

ハーレーダビットソンに乗っている人は、ステータス感に満足をしている部分があると思われます。バイクじゃなくって「俺はハーレー」っていうもの。

こういう感覚が「零点八軍団」にはあるような気がします。他の美容室に言っている人には味わえない優越感。自分しか知らない・入っていない優越感です。ここにステータス感があるのではないかと。

ここでのポイントは「価格価値」ではないことです。エルメスやベンツなどのブランドにもステータス感はありますが、そういう価格感で区切ったステータスではなく、「自分しか知らない体験」で区切ったステータスなんです。


2)新基準を作ったこと

この0.8㎜刈り自体は、実は新しいものではないそうです。昔から床屋さんには普通にあったものとのこと。でも、特別感を演出しながら提供したからこそお客さまはそこに価値を感じてくれたのでしょう。

「特別短い」と言いながらサービス提供をすること。そして、実際に今までにない肌触りになること。言葉での価値づけと、実体験の両方があるんです。

ここでのポイントは、お客さまが今まで気にしていなかった箇所に新基準を作ったことだと思います。「ここは気にすべきですよ」と、基準と伝えることでお客さまはそこに価値を感じてくれたのだと思います。

これ、すっごい大事だと思います。
もう一度言います。これめっちゃ大事っす。

お客さまに「気にすべき箇所を伝える・基準を伝えること」。それによって、お客さまは新たな「いい悪い」の判断基準を持つことができます。だからこそ、少し伸びたところで「もう伸びちゃったーー」となるのでしょう。この基準を伝えていなかったら、しばらく伸びるまで気にしないでしょうから。

ぼくは以前に焼肉屋さんの店長をしていたこともあって、「ホルモン」じゃなくって「シマチョウ」と呼びたくなったりします。これもそういう基準を知ってしまったから、その基準を使いたくなっているってことです。

お客さまに「新たな基準」を提供することで、お客さまはその順で判断をしてくれるようになるんです。その基準を持っている自分自身にもステータスを感じられるのでしょう(シマチョウというぼく自身もそうですから)。

 


3)アイデンティティの時代だからこそ

ここ数年はアイデンティティの時代になっていると思います。スマートフォンが普及して、SNSが普及している時代。

ぼくら消費者は「自分が自分であること」を大事にします。「自分が他とは違うこと」を主張したいとどこかで願っています。自分のアイデンティティを確かなものにしたいしそれを主張したい時代になっていると思うんです。

そういう時代だからこそ、「他の人とは違う」ことを感じられる「零点八軍団」はお客さまにとって「大事なコミュニティの場」になっているのではないかと思うのです。


いかがでしたでしょうか? 新時代の強固なコミュニティづくりの素晴らしい事例だと思いません?

カンタンにはマネはできないかもしれません。
だからいいんです。カンタンにできちゃうものなんてお客さまは価値を感じてくれませんよ。

お店の方が魂を込めてやってることだからこそ、それに共感したお客さまが強固なコミュニティを作ってくれる。そういうものだと思うんです。

セールスが厳しくなる時代。ものすごーく勉強になる事例です。ぜひぜひsplashさんを参考にしてみてくださいねーー!

小林さん、splashの皆さん素敵な事例をありがとうございましたーー!

(しかける販促マン まきや)

 

■美容室splashさん : https://www.hairsplash.net/